使っていない?「なぜ」の多用が危ない理由とその対策

コラム

 何か問題が発生したとき,顧客からクレームが来たとき,部下がミスをしたとき……。間違いを繰り返さないために振り返りやフィードバック,指導を行いますよね。そんなとき,ついつい「なぜ問題が発生したんだ?」と「なぜ」を使っていませんか?

 原因を追求して次に失敗しないようにすることは非常に重要ですが,実はこの「なぜ」には危ない一面が潜んでいます。本記事では「なぜ」の多用が危ない理由とその対策について解説していきます!

事例から考える〜部下がミスをした場合〜

 例えば部下のAさんが発注ミスをしてしまったとします。Aさんと話し合う際,あなたはAさんに「なぜ発注ミスが起こったと思う?」と質問をするのではないでしょうか。

 そこでAさんは多くの場合,こう答えると思われます。「私の確認が不足していたからです」 そしてあなたは「そうだな。次からは発注前の確認を怠るなよ」と言い,注意を終えます。よくある光景ではないでしょうか。しかしその後,Aさんはミスをしたことと注意を受けたことで落ち込んでしまい,モチベーションが低下してしまったのでした。

「なぜ」は「人」が対象

 「なぜ」という言葉を使って原因を追求しようとすると,言われた側はなぜか「責められている」と感じてしまいます。それは「なぜ」を使った分析が人を対象とするからです。

 先程の例では,「なぜ」を使ったことで,発注ミスの原因=Aさん という図式が成り立ってしまいました。「なぜ」は人に原因を求める言葉なのです。したがってAさんは自分で既に反省しているところに,「あなたのせいでミスが起こりました」と必要以上に責め立てられたような印象を受けてしまったのです。

 これでは注意をした側も報われませんし,注意された側も冷静になれず辛いものがあります。

「なに」を使って対象を「もの」に変える

 ではどうすればいいのか。答えは分析対象をものにすることで,ものに原因を求めるようにするということになります。ものに原因を求めることで,ミスを人(上の例ではAさん)から切り離すことができ,事象を冷静かつ客観的に観察できるようになります。

 そのためには「なに」を使いましょう。「なにが発注ミスを発生させてしまったと思う?」Aさんにはこのように尋ねれば良いのです。たったこれだけの違いで,Aさんが必要以上に責め立てられているように感じることもなくなり,感情に振り回されずに客観的な意見交換ができるようになります。

まとめ

 真面目で建設的な分析をしようとすればするほど使いがちな「なぜ」という言葉。さまざまな場面で「なに」に言い換えるだけで,周囲の人間関係も良くなり,お互いが冷静に仕事をすることができるのではないでしょうか。モチベーションを上げて,全員が気持ちよく働ける環境を作りたいですね◎

 

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